日本の都会暮らし: 4月 2010

2010/04/29

完成

リノベーションがついに完成。

今回お願いしたのは家具屋さんのSTANDARD TRADE.。マレーシアの田舎暮らしだったので情報収集はもっぱらインターネット。その中で出会ったのがこの記事。モノ作りに真摯に取り組んでる方だなぁと興味をもって更に色々と検索してたらこれ。木材を愛してやまないからできた様な自邸。これだ！と思って、でもこだわりの強そうな方だし遠隔地からの依頼で果たして受けてもらえるかなと思いながらコンタクト。やってみましょうと言ってもらえてスカイプや電話で何度も打ち合わせを重ねて・・・ついに完成。

エントランス

広めの土間スペースと大きな収納庫。

真鍮の取っ手。新品っぽさがなくて好き。

長〜いシューズボックス。

玄関ドアもSTANDARD TRADE.製。

設計に入ってなかったのにつけてもらった郵便受けボックス。

「1階は寒いので」とこっそりペアガラスにして頂いてた。

びっくりするくらい小さな家だけどあえて玄関は広く設計してもらった。

ベッドルーム

STANDARD TRADE.のORBED-01がすっぽりおさまった寝室。

エアコンはルーバーの中。

左の小棚は基礎の柱部分を有効利用してもらったもの。

棚はすべて可動。

木サッシの室内窓。開閉が気持ちいい。

STANDARD TRADE.のW代表自邸と同じからし色のカーペット。

一番最初のプランは広いホテルライクに広い寝室でくつろぐイメージ。でもうちの生活パターンでは寝室は本当に寝るだけスペース。恐る恐るその旨伝えると「はいはーい」・・・とは仰らないですがそんなノリでサクっとプラン変更。欲しかったサイズの寝室に。

バスルーム

水回りはタイルばりの一室空間。

シンプルな白くて四角い洗面。

洗濯機置きスペース。

籐の扉の収納。

マレーシアの田舎の家にはなかったバスタブ。これも白くて四角い。

ここはびっくりするくらい狭い部屋だけど普通の浴室よりは広いし、普通の洗面脱衣所よりは広いし、普通のトイレよりは広いのでそれぞれを使ってる時は開放感ありあり。そんな理由で一室空間に。

ダイニングキッチン

無理にLDKにはしなかった。

コの字のカウンター。

この中でくるくる回る動線。

「病院用流し」という名前のシンク。

ダイニング側から。ペンダントもSTANDARD TRADE.オリジナル。

長〜いダイニングボード。

左端の基礎柱に被せる様に作ってある。

最初は開き扉プランだったものを「引き扉にできませんか？」の一言であっさりとすっきりした3枚引き扉に。この辺りが自社工場でしっかり作ってる家具屋さんの強みだと思う。キッチンも本当に使いやすそうでこれなら台所に立つようになるかも。かも。

リビング

リビング兼客間。

その他多目的スペースでもある。

この部屋を客間たらしめているDAY BED。マットの下は収納。

スペースが限られているので「客間」のような限定的な用途の部屋にしたくなかったのと一つは開けた空間が欲しかったのでこういうカタチに。必要ならば間仕切って個室にできるし。ここは実は未完成で壁に可動式の棚をつけて書棚＋デスク＋αにする予定。

こだわって良かったモノたち

ピピッとコンロ。美しくて高機能。

神保電器のスイッチプレート。すっきり四角い。

サイザル麻の階段。

見たこともない素材だけどW代表邸で使われてたから憧れてた。

楢の無垢床ヘリンボーン張り。ほれぼれ。ホントほれぼれ。

全体的に大幅予算オーバーだったので色々削っていった中で、どうしても諦められずに頑張ったり頑張って頂いたりしたモノたち。どれも大正解。

リノベーションを終えて

門灯のマリンランプ。実際船舶で使われるものらしい。

一般的な用語ではリフォームだけど英語ではリモデルらしいし「新たな価値を与える」ような意味合いでリノベーションと言ったり。今回は「作業場・倉庫兼住居」だったものを住居にしたのでコンバージョンなのかもしれない。言葉はともかくなぜか新築ではなく元々あるものを作り替えて住みたかった。最初は建物というハコに必要最低限のモノをいれるだけでいいと思ってた。でも色々と進めて行く中でそのモノ自体は何でも良いわけではなく、質のいい素材で作ったキレイなカタチのモノが欲しいことに気がついた。そんなところでそういうコンセプトで仕事をしている人たちに出会えたのは幸運だったとしか言いようがない。既存物件の改装は予想以上に制約も多く「これだったら新築の方が・・」と思ったことは一度や二度ではないけど、いまではその制約が何だったかも思い出せないほど丁寧に一つずつ解決してもらった。内装はほぼ全取っ替えだけど新築っぽさがなく落ち着いた風合い。古材を使ったり中古風な仕上げをしてあるわけではなく昔からそこにあるようなデザインの新品。それは素材である良質な木材によるところも大きい。新しい家族の名前はこの家でふんだんに使われている楢材にちなんでつけた。思いがけず完成度の高い仕上がりになったけど家は常に未完なもの。家とナラと人間で一緒に成長していきたいと思う。